関数解析⑨ 有界線形作用素 このエントリーをはてなブックマークに追加

有界作用素・線形作用素とは?

まず、作用素を考えます。
作用素
ノルム空間$X$,$Y$を考えます。$X$から$Y$への写像を$x\in X$をもちいて、
\begin{align*} Tx(\in Y) \end{align*}
のようにあらわします。
もっとも考えやすいのが、線形代数でいうところの線形写像です。あとでノルムの話もしますが、作用素を作用させる前後では空間変わることもよくあることです。よって、作用させる前後で違うノルム空間を変えてます。

有界作用素の定義とは?

有界作用素
ノルム空間$X$,$Y$で、$X$,$Y$でのノルムをそれぞれ$\|\cdot\|_X$、$\|\cdot\|_Y$のようにあらわします。このとき、任意の$x$について、
\begin{align*} \|Tx\|_Y\leq M\|x\|_X \end{align*}
となる$M$が存在するとき、$T$を有界作用素といいます。
ここで、最小の$M$を作用素ノルムといいます。つまり、作用素ノルム$\|\cdot\|_{op}$について、
\begin{align*} \|Tx\|_Y\leq \|T\|_{op}\|x\|_X \end{align*}
ということです。

線形作用素の定義とは?

線形作用素
作用素$T:X\to Y$、$x,x^\prime$$\in X$と、係数体$K$に関して$\alpha$,$\beta$$\in K$を考えます。
\begin{align*} T(\alpha x+\beta x^\prime)=\alpha Tx+\beta Tx^\prime \end{align*}
また、有界作用素でかつ線形作用素なものを有界線形作用素といいます。



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