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微分積分⑭ ラグランジュの未定乗数法

ラグランジュの未定乗数法の計算 ラグランジュの未定乗数法って極値を求めるのに便利で、たとえば、物理では統計力学で頻繁に使います。ただ、この方法はあくまで極値の候補を求めるだけで、それが実際に極値かどうかは各点で判定する必要があります。 ラグランジュの未定乗数法の内容 ラグランジュの未定乗数法 条件$g(x,y)=0$の下で、関数$f(x,y)$の極値の候補は新たな関数 \begin{align*} L(x,y,\lambda)=f(x,y)-\lambda g(x,y) \end{align*} を設定し、 \begin{align*} \dfrac{\partial L}{\partial x}=\dfrac{\partial L}{\partial y}=\dfrac{\partial L}{\partial \lambda}=0 \end{align*} を満たす点となります。 これを厳密に証明するのは難しいので、具体的な計算例を紹介します。 ラグランジュの未定乗数法の計算例題 未定乗数法を用いて極値候補を出す 以下の関数 \begin{align*} g(x,y)=2x+y-5 \end{align*} に対しての$g(x,y)$$=0$の束縛条件のもとで \begin{align*} f(x,y)=x^2+y^2 \end{align*} の極小極大を求めましょう。新しく以下の関数を設定します。 \begin{align*} L(x,y,\lambda) &=f(x,y)-\lambda g(x,y) \\ &=x^2+y^2+\lambda(2x+y-5) \end{align*} \begin{align*} \dfrac{\partial L}{\partial x}&=2x+2\lambda=2(x+\lambda)=0 \\ \dfrac{\partial L}{\partial y}&=2y+\lambda =0 \\ \dfrac{\partial L}{\partial \lambda}&=2x+y-5=0 \end{align*} これは3元の連立方程式となります。解いてみる

微分積分⑫ 多変数のテイラー展開・マクローリン展開

多変数関数のテイラー展開・マクローリン展開 前提:1変数のテイラー展開の公式 1変数の場合のテイラー展開配下のようにあらわされたのでした。 1変数関数のテイラー展開 以下の式の右辺を$x=a$まわりのテイラー展開といいます。 \begin{align*} f(x)&=f(a)+\dfrac{1}{1!}f'(a)(x-a)+\dfrac{1}{2!}f''(a)(x-a)^{2}+\cdots\\\ \displaystyle\\ &=\sum_{k=0}^\infty \dfrac{1}{k!}f^{(k)}(a)(x-a)^{k}\end{align*} この式は左辺と右辺について、$x$$=a$での$n$次の微分係数が等しくなるように多項式を定めたのでした。この考えにのっとれば多変数への拡張もできます。(参考: 1変数のテイラー展開・マクローリン展開 ) 2変数のテイラー展開の公式 2変数関数のテイラー展開 点$(a,b)$周りのテイラー展開は以下の様に計算できます。 \begin{align*} f(x,y)=f(a,b)+\dfrac{1}{1!}\left(\left. \dfrac{\partial f}{\partial x}\right|_{(a,b)}(x-a)+\left. \dfrac{\partial f}{\partial y}\right|_{(a,b)}(y-b)\right)+\dfrac{1}{2!}\left(\left. \dfrac{\partial^2 f}{\partial x^2}\right|_{(a,b)}(x-a)^2+2\left. \dfrac{\partial^2 f}{\partial x\partial y}\right|_{(a,b)}(x-a)(y-b)+\left. \dfrac{\partial^2 f}{\partial y^2}\right|_{(a,b)}(y-b)^2\right) \end{align*} たとえば、この右辺を$x$で偏微分してみると、 \begin{align*} \left. \dfrac{\partial f}{\partial x}\right|_{(a,b)}

微分積分⑪ シュワルツの定理

シュワルツの定理の証明 前提条件:ラグランジュの平均値の定理 ラグランジュの平均値の定理より、以下のような式が言えました。 ラグランジュの平均値の定理 $f$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。 \begin{align*} \dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}=f^\prime(c),a\lt c\lt b \end{align*} を満たす$c$が存在する。 この$c$というパラメータを置き換えて以下の形も得られます。 ラグランジュの平均値の定理の別ver. $f$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。$h$$=b-a$として、 \begin{align*} f(b)-f(a)=hf^\prime(a+\theta h),0\lt \theta\lt 1 \end{align*} を満たす$\theta$が存在する。 この定理は ロルの定理 を用いて証明できます。(参考: ラグランジュの平均値の定理 の証明) シュワルツの定理の内容 シュワルツの定理 定義域$D$で、$f_x$,$f_y$,$f_{xy}$が存在して$f_{xy}$が連続ならば$f_{yx}$も存在して \begin{align*} f_{xy}=f_{yx} \end{align*} が成り立つ。 シュワルツの定理の証明 求めたい式から変形していく 仮定より、$f_x$が存在しますが、これは 微分可能ならば連続 なので、いま、関数$f$は$x$に対して連続といえます。$y$についても同様です。というわけで、以下ではラグランジュの平均値の定理を用いて証明を進めます。 以下では、正の微小量$h_x$、$h_y$を考えます いま、$f_{yx}$($f_y$を$x$で偏微分)を計算してみたら$f_{xy}$と等しくなった、ということが示したいので、まず使う式は \begin{align*} f_{yx}(a,b)=\lim_{h_x\to 0}\dfrac{f_y(a+h_x,b)-f_y(a,b)}{h_x} \end{align*} となります。(参考: 偏微分 )この式を計算していきたいのですが

微分積分⑦ ロピタルの定理

ロピタルの定理の証明 コーシーの平均値の定理を用いてロピタルの定理の証明を書きます。 前提条件:コーシーの平均値の定理 コーシーの平均値の定理 $f,g$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。また、$g^\prime(x)\ne 0$($a \lt$$x$$\lt b$),$g(a)$$\ne$$g(b)$とする。 \begin{align*} \dfrac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}=\dfrac{f^\prime(c)}{g^\prime(c)} \end{align*} を満たす$c$が存在する。 この定理の仮定である閉区間上で関数が連続という条件が大事です。ロピタルの定理の証明の中でコーシーの平均値を用いるために閉区間を用意します。 (参考: コーシーの平均値の定理 ) ロピタルの定理の内容 0/0形のロピタルの定理 $f,g$を$\gamma \gt 0$に対して、$a-\gamma\lt x\lt a$,$a\lt x \lt a+\gamma$の区間で微分可能な関数とする。ただし、$g^\prime(x)\ne 0$とする。 \begin{align*} \lim_{x\to a}f(x)=\lim_{x\to a}g(x)=0 \end{align*} とする。このとき、 \begin{align*} \lim_{x\to a}\dfrac{f^\prime(x)}{g^\prime(x)} \end{align*} が存在するならば、 \begin{align*} \lim_{x\to a}\dfrac{f(x)}{g(x)}=\lim_{x\to a}\dfrac{f^\prime(x)}{g^\prime(x)} \end{align*} 実は...御覧のように前提条件が厳しくて...これをきっちり理解しないままロピタルの定理を使う場合が多くて... 0/0の形のロピタルの定理の証明 $x=a$で関数$f(x)$が極限が存在するとは、 \begin{align*} \lim_{x\uparrow a}f(x)=\lim_{x\downarrow a}f(x)

微分積分④ テイラーの定理

テイラーの定理とは 前提条件:コーシーの平均値の定理 コーシーの平均値の定理 $f,g$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。また、$g^\prime(x)\ne 0$($a \lt$$x$$\lt b$),$g(a)$$\ne$$g(b)$とする。 \begin{align*} \dfrac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}=\dfrac{f^\prime(c)}{g^\prime(c)} \end{align*} を満たす$c$が存在する。 (参考: コーシーの平均値の定理 ) これを前提としてテイラーの定理の証明を進めます。 テイラーの定理の内容とは? テイラーの定理 開区間$I$で、$n$階微分可能で、$x,b$$\in I$とする。 \begin{align*} f(x)&=f(a)+\dfrac{f^\prime(a)}{1!}(x-a)^1+\dfrac{f^{\prime\prime}(a)}{2!}(x-a)^2+\cdots+\dfrac{f^{(n-1)}(a)}{(n-1)!}(x-a)^{n-1}+\dfrac{f^{(n)}(c)}{n!}(x-a)^n \\ &=\sum_{k=0}^{n-1}\dfrac{f^{(k)}(a)}{k!}(x-a)^k+\dfrac{f^{(n)}(\xi)}{n!}(x-a)^n \end{align*} を満たす$a$と$x$の間の数$\xi$が存在する。 新しく関数$F$を定めますが、$a$を変数として以下のような関数を考えます。 \begin{align*} F(x)=f(b)-\sum_{k=0}^{n-1}\dfrac{f^{(k)}(x)}{k!}(b-x)^k \end{align*} この関数を微分します。$b$は$a$と無関係として定数とみます。 \begin{align*} F^\prime(x)&=-\left\{\sum_{k=0}^{n-1}\dfrac{f^{(k+1)}(x)}{k!}(b-x)^{k-1}+\sum_{k=1}^{n-1}\dfrac{f^{(k)}(x)}{(k-1)!}(b-x)^{

微分積分③ コーシーの平均値の定理

コーシーの平均値の定理とは 前提条件:ロルの定理 ロルの定理 $f$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。 \begin{align*} f(a)=f(b) \Rightarrow f^\prime(c)=0, a\lt c \lt b\text{を満たす}c\text{が存在する} \end{align*} このロルの定理を前提条件として証明を進めます。 (参考: ロルの定理 ) コーシーの平均値の定理とは? コーシーの平均値の定理 $f,g$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。また、$g^\prime(x)\ne 0$($a \lt$$x$$\lt b$),$g(a)$$\ne$$g(b)$とする。 \begin{align*} \dfrac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}=\dfrac{f^\prime(c)}{g^\prime(c)} \end{align*} を満たす$c$が存在する。 前回、ラグランジュの平均値の定理は、 \begin{align*} g(x)=f(x)-\left\{\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}(x-a)+f(a)\right\} \end{align*} とおいて、$g(x)$にロルの定理を適用させました。(参考: コーシーの平均値の定理 ) ここから類推して、以下の様な形の関数にロルの定理を用いましょう。 \begin{align*} F(x)=f(x)-\left[\dfrac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}\left\{g(x)-g(a)\right\}+f(a)\right] \end{align*} ここで、$F(a)$$=F(b)$$=0$となります。関数$F(x)$は、$[a,b]$で連続であり、$(a,b)$で微分可能なので、$F^\prime(c)=0$,$a\lt $$c$$\lt b$となる$c$が存在します。ここで、 \begin{align*} F^\prime(c)=f^\prime(c)-\dfrac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}g^\prime(c) \end{alig

微分積分② ラグランジュの平均値の定理

ラグランジュの平均値の定理の証明 前回導いたロルの定理を用いてラグランジュの平均値の定理を導きましょう。 前提条件:ロルの定理とは? ロルの定理 $f$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。 \begin{align*} f(a)=f(b) \Rightarrow f^\prime(c)=0, a\lt c \lt b\text{を満たす}c\text{が存在する} \end{align*} (参考: ロルの定理 ) ラグランジュの平均値の定理とは? ラグランジュの平均値の定理 $f$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。 \begin{align*} \dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}=f^\prime(c),a\lt c\lt b \end{align*} を満たす$c$が存在する。 ちなみに、コーシーの平均値の定理はラグランジュの平均値の定理を経由せずにロルの定理から導きます。実はコーシーの平均値の定理で分母を$g(x)$$=x$としたものが今回のラグランジュの平均値の定理、ということになります。(参考: コーシーの平均値の定理 ) ラグランジュの平均値の定理の別ver. 同じことですが、$h$$=b-a$とおいて、 \begin{align*} c=a+\theta(b-a)=a+\theta h \end{align*} と表せば、ラグランジュの平均値の定理は、 \begin{align*} f(b)-f(a)=hf^\prime(a+\theta h), 0\lt \theta \lt 1 \end{align*} と書き換えることができます。 ラグランジュの平均値の定理の証明 まずロルの定理を用いるには、閉区間$[a,b]$で連続で、$(a,b)$で微分可能、$g(a)$$=g(b)$$となる関数を用意しなければなりません。この関数として以下の様な関数を用意します。 \begin{align*} g(x)=f(x)-\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}(x-a)-f(a) \end{align*} 確かに、$g(a)$$=g(b)$($=0$)が成り立ちま

微分積分① ロルの定理

ロルの定理の証明 前提条件:最大値・最小値の定理 最大値最小値の定理 有界な閉区間$[a,b]$($a$,$b$$\in$$\mathbb{R}$)て定義された連続関数$f$について、最大値と最小値が存在する。 さて、これってほぼ当たり前です。ただ証明を与える必要があるのですが、結構難しいのでここでは証明は省略します。 ロルの定理とは? ロルの定理 $f$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。 \begin{align*} f(a)=f(b) \Rightarrow f^\prime(c)=0, a\lt c \lt b\text{を満たす}c\text{が存在する} \end{align*} ロルの定理の証明 まずは、$f$が定数関数の場合と、それ以外の場合に分けて証明します。 定数関数の場合 $f(x)$が定数関数の場合には、 \begin{align*} f^\prime(x)=0 \end{align*} が常に成り立ちます。$a\lt$$c$$\lt b$となる$c$は定義域内にあるので、 \begin{align*} f^\prime(c)=0 \end{align*} となります。 定数関数でない場合 以下では微小な量$h$を考えて進めます。 端点が最大値にならない場合 $f(a)$$=f(b)$が最大値でない場合、最大値を取る座標を$x=\xi$とすると \begin{align*} a\lt \xi \lt b \end{align*} となります。このとき、$\xi+h$$\in [a,b]$をみたす$h$が取れて、 \begin{align*} f(\xi+h)\leq f(\xi) \end{align*} 辺々$f(\xi)$をひいて、$h$で割ります。$h$$\gt$$0$のとき、 \begin{align*} \dfrac{f(\xi+h)-f(\xi)}{h}\leq 0 \end{align*} が成り立ちます。最後に$h$$\to +0$の極限を取れば、仮定より$x$$=\xi$で微分可能なので、 \begin{align*} \lim_{h\to +0}\dfrac{f(\xi+h

微分積分⑬ ヘッセ行列による極値判定

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ヘッセ行列による極値判定 ヘッセ行列の定義 ヘッセ行列 スカラー値関数$f$について、以下の行列$H$を関数$f$のヘッセ行列といいます。 \begin{align*} H=[H_{ij}]=\left[\dfrac{\partial f}{\partial x_i \partial x_j}\right] \end{align*} 基本的に、微分を作用させる順序は交換しても変わりません。その場合、ヘッセ行列は$H_ij$$=H_{ji}$となる実対称行列です。 正定値行列と負定値行列 正定値行列 $A$を$n$$\times $$n$の行列として、零ベクトルでない任意の$n$成分の縦ベクトル$\boldsymbol{x}$に対して、 \begin{align*} {}^t\boldsymbol{x}A\boldsymbol{x}\gt 0 \end{align*} を満たす行列を正定値行列といい、$-A$が正定値行列の場合、負定値行列といいます。 実は、この正定値行列に関しては、たとえば、「固有値がすべて正」など、多くの性質がありますが、今回着目するのは、「首座行列(左上の$m$$\times$$m$行列)の行列式がすべて正」という性質です。 ヘッセ行列式による極値の判定方法 ヘッセ行列式による判定法 $f$を$C^{n+1}$級の関数とします。ある点で、すべての1次偏導関数が0になる場合、その点が極値の候補となり、 \begin{align*} \text{ヘッセ行列式が正定値}&\Rightarrow \text{極小} \\ \text{ヘッセ行列が負定値}&\Rightarrow \text{極大} \\ \text{ヘッセ行列が正定値でも負定値でもない}&\Rightarrow \text{極大でも極小でもない(鞍点)} \end{align*} ヘッセ行列式による判定方法の説明 一般の場合に証明するのは結構難しいので、$n=2$の場合に証明します。 点$(x_0,y_0)$で一次偏導関数が0となるとします。まず、この点周りに関数$f(x,y)$を2次の項までテイラー展開します。ただし、$f_{xy}$$=f_{yx}$が成り立つとし

微分積分㉑ n次元球

n次元球の体積・表面積の公式 以下のような式を考えます。 \begin{align*} x_1^2+x_2^2+x_3^2+\cdots+x_n^2\leq r^2 \end{align*} これを満たすような領域を$n$次元球といいます。以下、ガウス積分で証明する方法を紹介します。 n次元球の表面積・体積の次元を推測 ガウス積分を考える 以下のように$I$をおきます。 \begin{align*} I=\int_{-\infty}^\infty e^{-x^2}dx=\sqrt{\pi} \end{align*} ガウス積分の記事 を参照して、 \begin{align} I^n=\pi^\frac{n}{2} \label{eq:1} \end{align} となります。これを別の方法で計算できないか、ということを考えてみましょう。 \begin{align} I^n=\int_{-\infty}^\infty dx_1\int_{-\infty}^\infty dx_2\cdots\int_{-\infty}^\infty dx_n\ e^{-(x_1^2+x_2^2+\cdots+x_n^2)} \label{eq:2} \end{align} さて、右辺なのですが、この積分を変数変換することにしましょう。つまり、ヤコビアンにあたる部分を求めたいと思います。さて、具体例を考えましょう。 2,3次元のヤコビアンを考える 2次元では、$(x,y)$を$(r,\theta)$とおきかえたのでした。そして、このヤコビアン(ヤコビ行列式の絶対値)は、 \begin{align*} J_2(r,\theta)=r \end{align*} となりました。3次元では、$(x,y,z)$を$(r,\theta,\phi)$と置き換えたのでした。このときのヤコビアンは、 \begin{align*} J_3(r,\theta,\phi)=r^2\sin{\theta} \end{align*} となりました。つまり、 \begin{align*} dxdy&=J_2(r,\theta)drd\theta&= rdrd\theta \\ dxdydz&=J_3

微分積分⑳ ベータ関数

ベータ関数の公式と導出 この記事は 広義積分 と ガンマ関数 のある程度の理解を前提として書いています。 ベータ積分公式一覧 以下、$x,y$$\in \mathbb{R}$とします。ベータ関数を$x,y$$\gt0$に対して \begin{align*} B(x,y)=\int_0^1t^{x-1}(1-t)^{y-1}dt \end{align*} に対して、以下の式が成り立ちます。 \begin{align} B(x,y)&=B(y,x) \label{eq:1} \\ B(x,y)&=B(x+1,y)+B(x,y+1) \label{eq:2} \\ (x+y)B(x,y+1)&=yB(x,y) \\ \end{align} (1)式の導出 \begin{align*} B(x,y)=B(y,x) \end{align*} を示します。左辺の \begin{align*} B(x,y)=\int_0^1 t^{x-1}(1-t)^{y-1}dt \end{align*} について、$1-t$$=s$とおいて置換積分を行いましょう。$dt$$=-ds$であり、$s$での積分範囲は$1$$\to 0$になります。 \begin{align*} B(x,y) &=\int_1^0 (1-s)^{x-1}s^{y-1}(-ds) \\ &=\int_0^1 s^{y-1}(1-s)^{x-1}ds \\ &=B(y,x) \end{align*} (2)式の導出 \begin{align*} B(x,y)=B(x+1,y)+B(x,y+1) \end{align*} を示します。右辺から左辺を示すほうがやりやすいので右辺から始めます。 \begin{align*} B(x+1,y)+B(x,y+1) &=\int_0^1 t^{(x-1)+1}(1-t)^{y-1}dt+\int_0^1 t^{x-1}(1-t)^{(y-1)+1}dt \\ &=\int_0^1 \left\{t^x(1-t)^{y-1}+t^{x-1}(1-t)^y\right\}dt \\

微分積分⑱ ガンマ関数

ガンマ関数の公式一覧とその導出 ガンマ関数は階乗の一般化と言われることが多いです。階乗をまるで連続関数のように扱うことができます。 実は、複素数値の関数としても大体同じような性質が言えることが多いですが、扱いが難解になるので一旦実数に限って話を進めます。 この記事は 広義積分 のある程度の理解を前提として書いています。 ガンマ関数公式一覧 ガンマ関数公式一覧 $x$$\in \mathbb{R}$,$n$$\in \mathbb{N}$について、ガンマ関数 \begin{align*} \Gamma(x)=\int_0^\infty t^{x-1}e^{-t}dt \end{align*} について以下の性質が成り立ちます。 \begin{align} \Gamma(x+1)&=x\Gamma(x) \label{eq:1}\\ \Gamma(1)&=1 \label{eq:2}\\ \Gamma(n+1)&=n! \label{eq:3} \\ \Gamma\left(\dfrac{1}{2}\right)&=\sqrt{\pi} \label{eq:4} \\ \Gamma\left(n+\dfrac{1}{2}\right)&=\dfrac{(2n-1)!!}{2^n}\sqrt{\pi} \end{align} ガンマ関数の性質の導出 (1)式の導出 $\Gamma(x)$の計算を進めると$\Gamma(x+1)$を含む項が出てきた!というのが自然な流れな気がしますが、そうすると$x$が分母に来てしまうので、$\Gamma(x+1)$から出発します。 部分積分を利用すると以下のように変形できると思います。 \begin{align*} \Gamma(x+1) &=\int_0^\infty t^{x}e^{-t}dt \\ &=\int_0^\infty t^x\dfrac{d}{dt}\left(-e^{-t}\right)dt \\ &=\left.-t^xe^{-t}\right|^\infty_0+\int_0^\infty \dfrac{dt^x}{dt}e^{-t}dt \\

微分積分⑲ ガウス積分

ガウス積分の公式の導出 ガウス積分の導出を行います。このサイトでもたびたび使っているので、導出まで紹介しようと思います。この記事は 広義積分 のある程度の理解を前提として書いています。 ガウス積分の公式一覧とその導出 ガウス積分公式一覧 以下、$a$$\in \mathbb{R}$について、$a$$\gt$$0$とします。 \begin{align} \int_{-\infty}^\infty e^{-a x^2}dx&=\sqrt{\dfrac{\pi}{a}} \label{eq:1}\\ \int_0^\infty e^{-a x^2}dx&=\dfrac{1}{2}\sqrt{\dfrac{\pi}{a}} \label{eq:2}\\ \int_0^\infty xe^{-a x^2}dx&=\dfrac{1}{2a} \label{eq:3} \end{align} また、 \begin{align*} I_n(a)=\int_0^\infty x^ne^{-a x^2} \end{align*} とおくと、 \begin{align} \dfrac{d}{da}I_n(a)=-I_{n+2}(a) \label{eq:4} \end{align} が成り立ちます。 (1)式の証明 以下のように$I$をおきます。 \begin{align*} I=\int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx \end{align*} このとき、明らかに$I$は正です。ここで、$I^2$を計算すると、 \begin{align*} I^2 &=\left(\int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx\right)\left(\int_{-\infty}^\infty e^{-ay^2}dy\right) \\ &=\int_{-\infty}^\infty dx\int_{-\infty}^\infty dy\ e^{-a(x^2+y^2)} \end{align*} ここで、変数変換を行います。$x$,$y$を極座標表示に変換します。 \begin{align*} x&=

微分積分⑤ マクローリン展開・テイラー展開

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テイラー展開・マクローリン展開とは? 三角関数や指数関数などの特殊な関数を多項式で表す手法です。ちなみにオイラーの公式(参考: オイラーの公式 )を導く手法として使用することができます。 また、のちのち多変数関数の話に拡張することもできます。(参考: 2変数のテイラー展開・マクローリン展開 ) テイラー展開・マクローリン展開の公式 まずは以下のように公式を紹介します。関数を多項式を用いて表すことができます。(ただし,右辺は収束することが条件です。) テイラー展開 以下の式の右辺を$x=a$まわりのテイラー展開といいます。 \begin{align*} f(x)&=f(a)+\dfrac{1}{1!}f'(a)(x-a)+\dfrac{1}{2!}f''(a)(x-a)^{2}+\cdots\\\ \displaystyle\\ &=\sum_{k=0}^\infty \dfrac{1}{k!}f^{(k)}(a)(x-a)^{k}\end{align*} マクローリン展開 テイラー展開で$a=0$として \begin{align*} f(x)&=f(0)+\dfrac{1}{1!}f'(0)x+\dfrac{1}{2!}f''(a)x^{2}+\cdots\\\ \displaystyle\\ &=\sum_{k=0}^\infty \dfrac{1}{k!}f^{(k)}(0)x^{k}\end{align*} つまり, 原点まわりのテイラー展開がマクローリン展開 ということです。 テイラー展開が収束するかどうかというのは、テイラーの定理から評価できます。 (参考: テイラーの定理 ) テイラー展開の意味 点$a$まわりのテイラー展開でいえば、 $x=a$ですべての微分係数がすべて等しくなるように多項式を設定 するのです。 たとえば,$n$次までのテイラー展開では、$n$次までの微分係数が等しくなるように多項式を定めます。ただし、$n$次の項の変数部分を点$a$まわりのテイラー展開では$x^{n}$ではなく、$(x-a)^{n}$としている点に注意してください。 テイラー展開による近似手

微分積分⑥ オイラーの公式

オイラーの公式をマクローリン展開で導出する 波を三角関数で書かずにオイラーの公式を用いるようになっています。 オイラーの公式と複素数平面上の極形式との関係 オイラーの公式 虚数単位を$i$として \begin{align*} e^{i\theta}=\cos{\theta}+i \sin{\theta} \end{align*} という式です。これは 複素数平面の極形式 と同じ形をしていますね。 オイラーの公式のマクローリン展開による証明 指数関数をマクローリン展開する わりと簡単に導出できます。指数に虚数単位$i$が含まれていますが、 虚数単位はあくまで定数 です。つまり、左辺を$\theta$で微分すると \begin{align*} \dfrac{d}{d\theta}e^{i\theta}=ie^{i\theta} \end{align*} こんな感じで今まで扱ってきた実数の微分と同じように扱えます。というわけで、左辺をマクローリン展開してみましょう。(参考: テイラー展開・マクローリン展開 ) まず、先に$e^{x}$のマクローリン展開を示しておきます。 \begin{align*}e^{x}= 1+\dfrac{1}{1!}x+\dfrac{1}{2!}x^{2}+\cdots=\displaystyle \sum_{k=0}^\infty \dfrac{1}{k!}x^{k}\end{align*} ここに、$x=i\theta$を代入すると、 \begin{align*}e^{i\theta}= 1+\dfrac{1}{1!}i\theta-\dfrac{1}{2!}\theta^{2}-i\dfrac{1}{3!}\theta^{3}+\cdots\end{align*} これを実部と虚部に整理すると、 \begin{align*}e^{i\theta}=\left(1-\dfrac{1}{2!}\theta^{2}+\dfrac{1}{4!}\theta^{4}-\cdots\right)+i\left(\theta-\dfrac{1}{3!}\theta^{3}+\dfrac{1}{5!}-\cdots\right)\end{align*} 三角関数のマクロー

微分積分⑱ 重積分(ヤコビアンなど)

逐次積分とヤコビアン 簡単な重積分の計算方法・逐次積分 変域が独立の場合 重積分というのは単純に変数が複数ある積分です。たとえば、関数$f(x,y)=x+y$を領域$0\leq x \leq 1,0\leq y\leq 1$で積分することを考えましょう。 \begin{align*}\int_0^1 \int_0^1 f(x,y) dx dy &=\int_0^1 \left(\int_0^1 f(x,y)dx \right)dy\\ &=\int_0^1 \left(\int_0^1 (x+y)dx \right)dy\\ &=\int_0^1\left[\dfrac{1}{3}x^2+xy \right]^1_0 dy\\ &=\int_0^1 \left(\dfrac{1}{3}+y\right)dy\\ &=\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{2}\\ &=\dfrac{5}{6} \end{align*} $x$で積分するときは、$y$を固定しています。今回は互いの定義域は独立で0から1となっています。このように 互いの変域が独立の場合には積分の順番も気にしないでどちらから積分しても答えは同じ になります。 変域が独立でない場合 次に$0\leq x \leq 1,0\leq y \leq e^x$での積分を考えてみましょう。このように互いの定義域が独立でないときには、先に他の変数に依存している変数から積分してあげる必要があります。今回の場合では$y$から積分するということです。 \begin{align*}\int_0^1 \left(\int_0^{e^x}f(x,y)\ dy\right)dx &=\int_0^1 \left\{\int_0^{e^x}\left(x+y\right)dy\right\}dx\\ &=\int_0^1 \left[xy+\dfrac{1}{2}y^2\right]^{e^x}_0 dx\\ &=\int_0^1 \left(xe^x+\dfrac{1}{2}e^{2x}\right)dx\\ &=\left[xe^x\right]_0^1-\int_0^1e^x dx+\dfrac{1}{4}\lef

微分積分⑯ 広義積分

広義積分の収束と計算法 先に広義積分の判定条件だけ紹介して、そのあとに説明を加えようと思います。 広義積分の判定条件 広義積分といっても特異点をもつものや、無限大の範囲までの積分などありますが、まとめて紹介します。 広義積分の収束条件 優関数による評価法 $[a,b)$で連続な関数$f$,$g$について、 \begin{align*} 0\leq f(x) \leq g(x) \text{かつ}\int_a^b g(x)dx \text{が収束する}\Rightarrow \int_a^b f(x)dx\text{も収束する} \end{align*} 比による比較・無限大までの積分 $[\xi,\infty)$で連続な関数$f$について \begin{align*} \dfrac{f(x)}{x^{-\alpha}}\text{が収束する}\alpha \gt 1\text{が存在する}\Rightarrow \int_\xi^\infty f(x)dx\text{も収束する} \end{align*} 比による比較・特異点までの積分 $[a,b)$で連続な$x=b$で特異点を持つ関数$f$について、 \begin{align*} \dfrac{g(x)}{(x-b)^{-\beta}}\text{を満たす}0\lt \beta \lt 1\text{が存在する}\Rightarrow \int_a^b f(x)dx\text{も収束する} \end{align*} 広義積分とは?通常の積分との違い 大雑把に言うと積分範囲で 無限大や特異点など定義できない点が現れるような積分 です。 例えば \begin{align*} \displaystyle \int_{1}^{\infty} \dfrac{1}{x^{3}}dx \label{problem1} \end{align*} これは範囲に無限大を含んでいるので普通の積分であることは明らかでしょう。 \begin{align*} \displaystyle \int_{1}^{3} \dfrac{1}{\sqrt{(3-x)(x-1)}}dx \label{probl

微分積分⑮ リーマン積分

リーマン積分可能条件とは? 積分とはまずなにでしょうか?また、積分が可能な条件とはなんでしょうか?ということをこの記事で説明します。 りーマン積分の定義 リーマン積分は今までの積分とあまり変わらないと思って大丈夫です。今回は、計算の原理のみ紹介します。積分を 極限によって厳密に定義しよう ということです。まず、積分する範囲$[a,b]$を$x_0$$=a$,$x_n$$=b$と固定してして、いくつかの点に区切ります。 \begin{align*} x_{0},x_{1},\cdots,x_{n} \end{align*} この分割した中で \begin{align*} x_{i-1}\leq x \leq x_{i} \end{align*} の範囲を考えましょう。この範囲である値$\xi_{i}$を \begin{align*} x_{i-1}\leq \xi_{i} \leq x_{i} \end{align*} となるように取ります。積分というのはもともと 曲線の下面積を長方形の面積和 で表すのでした。 つまり、高さが$f(\xi_{i})$, 横幅が$x$の差の長方形を考えますつまり以下の式を考えます。 \begin{align*} \displaystyle \sum_{i=1}^{n}f(\xi_{i})(x_{i}-x_{i-1}) \end{align*} ただこのままでは面積の近似になっていません。近似するためには長方形の幅を小さくする必要があります。つまり、$n\to\infty$です。 つまり、リーマン積分の定義式は以下のようになります。刻み幅$x_{i+1}-x_i$のうち、最も大きいものを$\Delta$とします。この$|\Delta|$を無限小にすると \begin{align} \displaystyle \lim_{|\Delta|\to0}\sum_{i=1}^{n}f(\xi_{i})(x_{i}-x_{i-1})\ \ (x_{i-1}\leq \xi_{i}\leq x_{i}) \label{eq:1} \end{align} リーマン積分可能とは?その証明方法 リーマン積分\eqref{eq:1}の値が確定するとき(極限が存在するとき) リーマン積分可能

微分積分⑧ 2変数関数の極限

2変数関数の極限の求め方とは?・例題 \begin{align*} \displaystyle \lim_{(x,y)\to(0,0)}\dfrac{x^{2}y^{2}}{x^{4}+y^{4}} \end{align*} 実はこの極限は存在しません。このことを数学的にきっちり示すことを考えて、もし極限が存在するならばその値の求め方も考えましょう。 極限が存在しないことを簡単に証明する 多変数関数の極限で大事なのは、 近づき方によらず収束するときに極限が存在する ということです。 上の極限が存在しないことを説明します。 たとえば、$y=mx$という直線に沿って$(0,0)$に近づけるとします。 \begin{align*}\displaystyle \lim_{(x,y)\to(0,0)}\dfrac{x^{2}y^{2}}{x^{4}+y^{4}}=\lim_{(x,y)\to(0,0)}\dfrac{m^{2}x^{4}}{(1+m^{4})x^{4}}=\dfrac{m^{2}}{1+m^{4}}\end{align*} これ、$m$によって近づく先が異なるので、極限は存在しないことになります。極限が存在しないことは簡単に示せますね。 逆に、極限値が存在する例で極限を求めてみましょう。 どうやるのでしょうか?実は、 極座標 を用いて計算することになります。 極座標(三角関数)を用いた極限の求め方 \begin{align*}x=r\cos{\theta}\ ,\ y=r\sin{\theta}\end{align*} このように変換します。($r\geq0$) また、$(x,y)\to(0,0)$というのは$r\to0$で表現できます。これを使って \begin{align*}\displaystyle \lim_{(x,y)\to(0,0)}\dfrac{x^{2}y}{x^{2}+y^{2}}\end{align*} を求めてみましょう。 \begin{align*}\displaystyle\lim_{(x,y)\to(0,0)}\dfrac{x^{2}y}{x^{2}+y^{2}}=\lim_{r\to 0}\dfrac{r^{3}\cos^{2}{\the

微分積分⑩ 連鎖律(chain rule)

合成関数の微分や連鎖律 常微分では合成関数の微分を考えることができました。これを多変数関数に拡張したものを 連鎖律(chain rule) といいます。 合成関数の微分と連鎖律の公式 合成関数の微分 \begin{align} \dfrac{df}{dt}=\dfrac{df(x(t))}{dx(t)}\dfrac{dx(t)}{dt} \label{eq:1} \end{align} 二変数の場合であれば、 2変数の場合の連鎖律 \begin{align} \dfrac{df(x,y)}{dt}=\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial x(t)}\dfrac{dx(t)}{dt}+\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial y(t)}\dfrac{dy(t)}{dt} \label{eq:2} \end{align} 引数を省略して見やすくすると以下の式になります \begin{align} \dfrac{dw}{dt}=\dfrac{\partial f}{\partial x}\dfrac{dx}{dt}+\dfrac{\partial f}{\partial y}\dfrac{dy}{dt} \end{align} 合成関数の微分公式 合成関数の微分公式の証明・導出 \begin{align*} \dfrac{df(x(t))}{dt}=\dfrac{dx}{dt}\dfrac{df}{dx} \end{align*} を証明します。左辺から定義に従って右辺になることを示せばOKです。 \begin{align*} \dfrac{df(x(t))}{dt}&=\lim_{h\to 0}\dfrac{f(x(t+h))-f(x(t))}{h} \\ &=\lim_{h\to 0}\dfrac{x(t+h)-x(t)}{h}\dfrac{f(x(t+h))-f(x(t))}{x(t+h)-x(t)} \\ &=\dfrac{dx}{dt}\dfrac{df}{dt} \end{align*} 合成関数の微分公式を用いた例題 \begin{align*} f(x)&