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光学② スネルの法則(屈折の法則)

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スネルの法則 屈折の法則はスネルの法則ということが多く、フェルマーの原理から導出することができます。 屈折の法則 屈折率$n_1$の物質から入社してきた光が屈折率$n_2$の物質との境界面で屈折する状況を考えます。入射角を$\theta_1$、屈折角を$\theta_2$として、以下の法則が成り立ちます。 スネルの法則 \begin{align*} n_1\sin{\theta_1}=n_2\sin{\theta_2} \end{align*} これの式をフェルマーの原理から導出します。 フェルマーの原理の式を導出する フェルマーの原理とは光は以下の$I$を極値をとるような経路をとおるということでした。 \begin{align*} I=\int_{s_1}^{s_2}n(s)ds \end{align*} $s$は距離を表すパラメータです。では、以下の画像のような状況を考えましょう。 ここでは、点Cは固定して、フェルマーの原理を満たす点Bの位置を求めましょう。フェルマーの原理の積分は以下のように計算します。 \begin{align*} I&=\int_A^Cn(s)ds \\ &=\int_A^Bn_1ds+\int_B^A n_2ds \\ &=n_1\sqrt{x^2+a^2}+n_2\sqrt{(l-x)^2+b^2} \end{align*} ここで、$x$の変化に対する作用積分の変化を考えます。仮想的な変位なので変分として$\delta$を使いましたが、実際は微分しているだけです。 \begin{align*} \dfrac{\delta I}{\delta x}&=n_1\dfrac{2x}{2\sqrt{x^2+a^2}}+n_2\dfrac{2(l-x)\cdot(-1)}{2\sqrt{(l-x)^2+b^2}} \\ &=n_1\dfrac{x}{\sqrt{x^2+a^2}}-n_2\dfrac{l-x}{\sqrt{(l-x)^2+b^2}} \end{align*} ここで、フェルマーの原理$\delta I/\delta x$$=0$を課すと、 \beg

光学① フェルマーの原理と光路長

フェルマーの原理 光学で基本となる考え方にフェルマーの原理というものがあります。ただ、これは実質作用積分です。物理現象は作用積分に対する最小作用の原理から導かれるという話にのっとることができて、理論的にきれいになるので、フェルマーの原理から作用積分を示したいと思います。 フェルマーの原理と光路長 フェルマーの原理と光路長 パラメータ$s$で指定される位置で、積分 \begin{align*} I=\int_{s_1}^{s_2}n(s)ds \end{align*} が極値を持つような経路を光が通過します。$n(s)$は屈折率なので、この積分は 光路長 とみることもできます。 光路長を最短にするようなルートを取ることをフェルマーの原理ということがありますが、もっと原理的には以上のような式に従っています。ここから作用積分と等価なことを示しましょう。 フェルマーの原理を変形する 微小距離$ds$は3次元では以下のようにあらわすことができます。 \begin{align*} ds=\sqrt{dx^2+dy^2+dz^2} \end{align*} ここで、$s$を時刻$t$の積分に変えます。屈折率$n(s)$は$x$,$y$,$z$の関数とみることができます。 \begin{align*} I&=\int_{s_1}^{s_2}n(s)ds \\ &=\int_{t_1}^{t_2}n(x,y,z)\dfrac{ds}{dt}dt \\ &=\int_{t_1}^{t_2}n(x,y,z)\sqrt{\left(\dfrac{dx}{dt}\right)^2+\left(\dfrac{dy}{dt}\right)^2+\left(\dfrac{dz}{dt}\right)^2}dt \end{align*} つまり、ラグランジアンとして \begin{align*} L(\boldsymbol{r},\dot{\boldsymbol{r}},t)=n(\boldsymbol{r})\left\|\dot{\boldsymbol{r}}\right\| \end{align*} を選べばよいことになります。 [ 前の記事へ ] [ 次の記事へ ]