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偏微分方程式③ 1階特性曲線法

特性曲線法とは?その考え方 特性曲線法という考え方を紹介します。以下のような方程式の解法です。 \begin{align} a(x,y,z)\dfrac{\partial z(x,y)}{\partial x}+b(x,y,z)\dfrac{\partial z(x,y)}{\partial y}=c(x,y,z) \label{pdeeq:1} \end{align} この式だけでは全く想像ができないと思うので以下の 連鎖律 を考えましょう。 \begin{align} \dfrac{dz(x,y)}{dt}=\dfrac{\partial z(x,y)}{\partial x}\dfrac{dx}{dt}+\dfrac{\partial z(x,y)}{\partial y}\dfrac{dy}{dt} \label{pdeeq:2} \end{align} \eqref{pdeeq:1},\eqref{pdeeq:2}式を比較すれば、 \begin{align} \dfrac{dx}{dt}&=a(x,y,z)\label{pdeeq:3}\\ \dfrac{dy}{dt}&=b(x,y,z)\label{pdeeq:4}\\ \dfrac{dz}{dt}&=c(x,y,z)\label{pdeeq:5} \end{align} というような形に書くことができます。($z$について直接$t$の関数ではないので書かないでおきます.)ここで新しく表れたパラメータ$t$が重要で、この新しいパラメータにそった曲線を考えるので 特性曲線 といいます。 ラグランジュ・シャルピ方程式を用いた簡単な計算方法 新しくパラメータを設定するというのが少しハードルが高いので別の考え方があります。 \begin{align} \dfrac{dx}{a(x,y,z)}=\dfrac{dy}{b(x,y,z)}=\dfrac{dz}{c(x,y,z)} \end{align} という式から解を導くこともできます。これは変数分離形のようになっているので少しは計算しやすいかもしれませんが、計算の意味が抽象的になっています。 特性曲線法の例題を解いてみる たとえば以下のような偏微分方程式を解いてみしょう.

偏微分方程式⑦ グリーン関数法

グリーン関数とは?フーリエ変換との関係 グリーン関数とは微分作用素$\mathcal{D}$を考えます.このとき,以下の微分方程式 \begin{align} \mathcal{D}\psi=-f(x) \label{pde7eq:1} \end{align} を考えます.このとき, \begin{align} \mathcal{D}G(x-y)=-\delta(x-y) \label{eq:2} \end{align} を満たす関数$G$を グリーン関数 といいます.と,その前に前提となる知識を紹介しておきます. 畳み込み(Convolution)積分の定義と性質 \begin{align} f*g\stackrel{def}{=}\int_{-\infty}^\infty f(x-y)g(y)dy \end{align} という式を畳み込み積分といいます.余談ですが,畳み込み積分のフーリエ変換は互いのフーリエ変換の積になります.つまり, \begin{align} \mathcal{F}[f*g]=\mathcal{F}[f]\mathcal{F}[g] \end{align} ということです.ちなみに逆に \begin{align} \mathcal{F}^{-1}(\mathcal{F}[f]*\mathcal{F}[g])=fg \end{align} も成り立ちます. デルタ関数の性質 デルタ関数とは,引数が0のときのみ無限大で,他のときは0という関数でした.ただし, \begin{align} \int_{-\infty}^\infty \delta(x)dx=1 \end{align} となっています.ちょっと怪しい条件なので...嫌われている条件でもあります.そして,デルタ関数の畳み込み積分を計算すると, \begin{align} \int_{-\infty}^{\infty} f(x-y)\delta(y)dy=f(x) \label{eq:7} \end{align} というようにデルタ関数の引数が0になるときの他方の関数の値がそのまま出てきます. グリーン関数法について詳しく調べてみる さて,グリーン関数とは以下の式を満たす$G$でした. \begin{ali

偏微分方程式② 変数分離法

変数分離法が使える根拠とは?できない? 変数分離を用いる例題 たとえば、以下のような波動方程式を解くことを考えましょう。 \begin{align} \dfrac{\partial^2 y(x,t)}{\partial t^2}=v^2\dfrac{\partial^2 y(t,x)}{\partial x^2} \label{eq:1} \end{align} このままでは解けないので、以下のような解を仮定して解くことにします。この方法で本当に正しいのかどうかは後で解説します。 \begin{align} y(x,t)=X(x)T(t) \end{align} この式を用いれば、 \begin{align} \dfrac{\partial^2 X(x)T(t)}{\partial t^2}=v^2\dfrac{\partial^2X(x)T(t)}{\partial x^2} \end{align} 微分演算子の扱い方 ここで、微分演算子の扱いについて少し話しておきます。$x$の関数$X(x)$を時間で微分するのはそのまま形が変わりません。しかも、偏微分が常微分と変わらなくなります。 \begin{align} \left(\eqref{eq:1}式の左辺\right)=\dfrac{d^2X(x)T(t)}{dt^2}=X(x)\dfrac{d^2T(t)}{dt^2} \end{align} という具合になります。右辺も同様にすると波動方程式が以下の形で書きなおせます。 \begin{align} X(x)\dfrac{d^2T(t)}{dt^2}=v^2T(t)\dfrac{d^2X(x)}{dx^2} \end{align} 各辺に同じ変数をまとめる さらにここで辺々を$y(x,t)=X(x)T(t)$でわって、定数$v$を左辺に移します。 \begin{align} \dfrac{1}{v^2T(t)}\dfrac{d^2T(t)}{dt^2}=\dfrac{1}{X(x)}\dfrac{d^2X(x)}{dx^2} \label{eq:6} \end{align} となります。 恒等式になる条件を考える いま、\eqref{eq:6}式の左辺は

偏微分方程式① 偏微分方程式入門

偏微分方程式の解き方とは? 偏微分方程式の解き方はバリエーションが豊富で一応ある程度完成された学問とはなっていますが、まだ解けていないナビエストークス方程式などまだまだ研究が続く分野であります。その難しさは解の抽象さにあるような気がします。 簡単な偏微分方程式の一般解を求める たとえば以下のような方程式を解きます。 \begin{align*} \dfrac{\partial f(x,y)}{\partial x}=0 \end{align*} この解は \begin{align*} f(x,y)=g(y) \end{align*} となります。($g(y)$は任意の関数) これが1変数関数の常微分方程式だったら、 \begin{align*} \dfrac{df(x)}{dx}=0 \end{align*} を解けば、定数$C$を用いて \begin{align*} f(x)=C \end{align*} となります。常微分方程式では解の自由度として任意定数というものが登場しました。その代わりに、偏微分方程式では任意関数という形で自由度が得られます。 簡単な例題を解いていみる 簡単な形の例題を解いてみます。 \begin{align*} \dfrac{\partial^2f(x,y)}{\partial x\partial y}=0 \end{align*} この式を以下のように変形します。 \begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial x}\left(\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial y}\right)=0 \end{align*} こうすれば任意関数$g(y)$を用いて, \begin{align*} \dfrac{\partial f(x,y)}{\partial y}=g(y) \end{align*} となります。続いてこの式を解きます。実はこれを積分した式にさらに$x$の関数がついてもいいわけです。つまり、任意関数$g(y)$を用いて、 \begin{align*} f(x,y)=\int g(y)dy +h(x) \end{align*} となります。ここで、積分の項もただの任意関数なので、改め

測度論⑤ ディリクレ関数のルベーグ積分

ルベーグ積分とは?リーマン積分との違いとディリクレ関数との関係 ルベーグ積分というのは名前だけは有名ですね。 よく言われる話として、ルベーグ積分は$y$軸に沿っての積分といわれています。 個人的にはあまり$y$軸に沿ってとか言うことは考えていませんがね笑 どういうふうに計算するのか、ということについて紹介します。 前回まで測度というものを紹介してきました。 なんでこんな変な話をしてきたかということは今回でわかります。 リーマン積分では関数グラフの下の高さを$x$軸方向の微小長さの積(いわゆる $f(x) dx$ですね)をとってこれを足し合わせるのでした。 ではこの計算を$y$軸でくぎってすることを考えます. 具体的には$f(x)$の値を返す$x$の集合の長さを$\mu$として、$\mu\{f(x)\}$をすべての$f(x)$について足し合わせます。 ルベーグ積分の具体例 ではディリクレ関数の積分を考えます。 ディリクレ関数とは、$x\in[0,1]$に対して、 \begin{align*}f(x)=\left\{\begin{array}{p}1\ \ (x\in \mathbb{Q})\\ 0\ \ (x\notin \mathbb{Q}) \end{array}\right.\end{align*} でした。では,$0\leq x\leq 1$でこの関数をルベーグ積分します。 先ほどの説明から...ルベーグ積分の値は, $x\in[0,1]$に対して、 \begin{align*}1\times\mu(\mathbb{Q}\cap [0,1])+0\times \mu(\mathbb{Q}^{c}\cap [0,1])\end{align*} このように計算できます. $\mu()$は( )内の集合の大きさ(ルベーグ測度による)です。 では、あとはこのそれぞれの$\mu$の値を求めましょう。 ルベーグ外測度の定義は $x\in[0,1]$に対して、 \begin{align*}\mu^{*}(A)=\displaystyle \inf{\sum_{n=1}|I_{n}|}\end{align*} でした。 集合の濃度を用いた測度の評価 ここで集合論の話に戻りますが、有理数と無理数はどちらが

測度論④ ルベーグ外測度の定義

ルベーグ外測度・内測度の定義とは? ルベーグ積分の基礎になる概念です。 リーマン積分、ジョルダン測度の欠点を補うための表現でありつつ、一般に通じるような定義式が必要になります。 途中は定義を述べるだけにして最後に補足を加えています。 まず用語を一つ紹介します。 被覆とは?新しい測度の考え 集合$A$を考えます。集合$A$を集合列${I_{n}}(n\in \mathbb{N})$が 被覆する とは \begin{align*}A\subset \displaystyle \cup_{n\leq 1}I_{n}\end{align*} が成り立つことを言います。 これはなにも難しいことは言っていません。 $I_{n}$をすべて集めれば,$A$を部分集合に含むようになる、これを被覆するといいます。 ルベーグ可測条件とは? このとき、ルベーグ外測度を \begin{align*}\mu^{*}(A)=\inf\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}|I_{n}|\end{align*} として定義します.  右辺の絶対値のような記号は大きさを表しています、$A$を部分集合に含むような集合の大きさをはかれば、当然$A$の大きさよりも大きくなります。 ここでルベーグ可測の条件は \begin{align*}\mu^{*}(A)=\mu^{*}(A\cap B)+\mu^{*}(A\cap B^{c})\end{align*} が成り立つことです。 ベン図を書いてもらえば明らかじゃないの?って思うかもしれませんがあくまで測度なので、必ずしもその測度と大きさは一致しません。 直感的に言うと、それぞれの大きさがはっきり求まれば(測度がうまく取れれば)右辺の測度が確定、つまり左辺も確定します。 今回このような可測の定義も紹介しましたが、実はこの概念あまり役に立たないです。 なぜかということを直感的に説明すると、右辺がいい感じに求められるなら普通は左辺も直接求められるっしょ(笑) という感じでしょうか。 通常の連続関数からの推測 たとえばなんですが、数列$\{a_{n}\}$が2に収束するのを示したいとき、直接2に収束することを言うのはしんどいので、はさみうちの原理を使って \begi

測度論③ 測度のイメージ・測定の原理

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測度の定義・外測度と内測度の持つ意味 外測度、内測度についてふと考えていたらいいイメージを思いついたのでここに残しておきます. なんか外測度、内測度って数式での細かい定義ばかりでうんざりしますよね. だから、日常生活の中でイメージを立ててみます. たとえば,トイレットペーパーの芯の1周の長さはいくつかなーって考えます じゃあたとえば,メジャーで測ることにしましょう. まあ普通の人なら多分外から巻き付けますよね。 こんなふうに(黒がトイレットペーパーの芯、赤がメジャーだと考えてください) でもこれってホントに芯の周の長さなん?絶対それより大きいやろ!!! って突っ込みたくなります。 だから今度は内側から計測してみます。 (黒がトイレットペーパーの芯、青が内側から測るメジャーだと考えてください) でも、これ、絶対芯の周の長さより小さいやん! わからへんやん!!!!! って突っ込みたくなります. でもせっかく調べたのでこれらを使って,不等式をつくって評価してみることにしました はさみうちの原理で極限を求める 外からの測定値は外測度、内からの測定値は内測度と呼ぶことにして、 それぞれ,$\overline{m},\underline{m}$で表すことにします. 真の芯の一周の長さ$m$は $\underline{m}\leq m\leq \overline{m}$ となります. なんやねん測定値わからへんやん!!!! っておもったそこのあなた!!!! もし, $\overline{m}=\underline{m}$ だったら??? $m$はもう確定しますね! 実際トイレットペーパーの芯の紙が十分薄ければメジャーで測ったぐらいでは違いは出なくなるでしょう! だからみなさんは測りやすい外から測りがちなんですけど、その原理はこういうことです。 測度論の他の記事 ① ディリクレ関数 ②ジョルダン測度とは? ③ 測度のイメージ・測定原理 ④ ルベーグ外測度 ⑤ ルベーグ積分・ディリクレ関数の積分

測度論② ジョルダン測度

ジョルダン測度から始めてディリクレ関数がリーマン積分不可能であることまで説明します。 測度とは。ジョルダン測度へ たとえば、面積とは何ぞや?ということを正確に定義をしよう!ということです. まずリーマン積分の理解が前提です。 リーマン積分を用いる ではまず、二次元ユークリッド空間中の集合$A$を考えます. ここで、被リーマン積分関数として以下のような関数を考えます. \begin{align*}1_{A}(x,y)=\left\{\begin{array}{x}1((x,y)\in A)\\ 0((x,y)\notin A)\end{array}\right.\end{align*} これを$A$の 定義関数 、もしくは 特性関数 と言ったりします。 特性関数という時にはギリシャ文字のカイ $\chi$を使うこともしばしば. たとえば、この関数を$A$より大きい集合、つまり$A$を部分集合として含む集合全体でリーマン積分すれば$A$の面積が出てきます。 たとえば、もう全空間で積分してみるとか。 \begin{align*}\displaystyle \iint _{\mathbb{R}^{2}}1_{A}(x,y)dxdy\end{align*} ここで、リーマン積分の特徴について復習なのですが、リーマン積分可能ということは、各分割区間の上限、下限とで不等式をつくり、共通の値に収束することを示して、はさみうちの原理から面積が確定することを示すのでした. (言ってることがわからなければリーマン積分について確認してください) 上限の和を$S$, 下限の和を$s$とします. \begin{align*}D_{ij}:x_{i-1}\leq x\leq x_{i}, y_{j-1}\leq y\leq y_{j}\end{align*} というように区間を設定して、リーマン積分について$1_{A}$についての$S$は \begin{align*}\displaystyle S(A)=\overline{m_{J}}=\lim_{\Delta\to 0}\sum_{\mathbb{R}^{2}}\sup_{(x,y)\in D_{ij}} 1_{A}(x,y)\end{align*} となり、この$\overline{m_{J

測度論① ディリクレ関数

ルベーグ積分につながるディリクレ関数の定義 ディリクレ関数とは $x\in[0,1]$に対して、 \begin{align*}f(x)=\left\{\begin{array}{p}1\ \ (x\in \mathbb{Q})\\ 0\ \ (x\notin \mathbb{Q}) \end{array}\right.\end{align*} ちなみに、$\mathbb{Q}$は有理数全体の集合です。 つまり、$x$が有理数なら1, $x$が無理数なら0です。 本当にそんなの存在する?ってなるけど実は存在します。 整数$m,k$に対して \begin{align*}\displaystyle \lim_{m\to\infty}\lim_{k\to\infty}\cos^{2k}{(m!\pi x)}\end{align*} これです。え、なんで?って思われそうなので説明しますね。 まず、自然数$n$に対して、$\cos{n\pi}=\pm{1}$となります。 つまり、$m!x$が整数となればこの極限は1になるわけです。 $m\to\inftyで、m!x$が整数となる条件は何でしょうか? それが、「 $x$が有理数であること 」です。 有理数とは...整数の分数(整数÷整数)であらわされる数ですね。(もちろん分母は0以外です) ここで、$m!はm$以下のすべての自然数を因数に持ちますね。 つまり、$m$をとてつもなく大きくすれば、$x$が有理数なら、$x$の分母が$m$以下、つまり、$x$の分母が$m!$と約分できます。 つまり、$m!x$は整数の積になります。つまり、整数です。 よって、極限は$x$が有理数のときに1です。 では、「 $x$が無理数のとき$m!x$は必ず整数にならない 」ということになります。 たとえば、$\sqrt{2}$はどうでしょう? これを整数倍して整数にできますか??これは無理な話です(笑) 無限桁の数を何倍しても整数になるわけないですね。 ディリクレ関数の性質・実数全体で不連続とは ・ ディリクレ関数はすべての実数に対して不連続 これは$\varepsilon -\delta$論法を使おうとすると、どうしようもできないのです。。。不連続です。$\varepsilon

フーリエ解析⑥ ラプラス変換 ブロムウィッチ積分

ラプラス変換とは?その公式 今までの記事で、フーリエ変換については書いていましたが、収束条件などでフーリエ変換には制約があります。そこで、ラプラス変換というものを導入します。 (参考: フーリエ変換 ) ラプラス変換の定義とは? ラプラス変換 関数$f(t)(t\geq 0)$のラプラス変換は以下のように定義されます。 \begin{align*} F(s)=\int_0^\infty f(t)e^{-st}dt \end{align*} これはフーリエ変換の定義 \begin{align*}F(\omega)=\int_{-\infty}^\infty f(x)e^{-i\omega x}dx\end{align*} ととても似ていることがわかるでしょうか。ラプラス変換はフーリエ変換に由来しています。ところで、フーリエ変換はもとの関数に戻すことができました。つまり、 \begin{align*}f(t)&=\dfrac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty}F(\omega)e^{i\omega t}d\omega\\ &=\dfrac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty}\left(\int_{-\infty}^{\infty}f(t)e^{-i\omega t}\right)e^{i\omega t}d\omega \end{align*} となるのでした。ラプラス変換にもこのように逆変換ができれば変換として実用的でしょう。関数$f(t)$のフーリエ変換を$F(\omega)$として、 \begin{align*}f(t)&=\dfrac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^\infty F(\omega)e^{i\omega t}dt\\ &=\dfrac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty}\left(\int_{-\infty}^{\infty}f(t)e^{-i\omega t}dt\right)e^{i\omega t}d\omega \end{align*} フーリエ変換・ラプラス変換の収束条件 ここで、フーリエ変換ができる条件を思い出してみましょう。つまり、 \begin{al

フーリエ解析⑤ フーリエ変換

フーリエ変換とは?その公式は? 周期$2L$の関数$f(x)$の複素型のフーリエ級数展開は以下のように表されたのでした。 \begin{align*}f(x)=\sum_{n=-\infty}^\infty c_n e^{i\frac{n\pi}{L}x}\\ c_n=\dfrac{1}{2L}\int_{-L}^{L}f(x)e^{-i\frac{n\pi}{L}x}dx\end{align*} これらをわけて書かずに合わせて書くと、 \begin{align*}\dfrac{1}{2L}\sum_{n=-\infty}^\infty \left(\int_{-L}^{L}f(x')e^{-i\frac{n\pi}{L}x'}dx'\right) e^{i\frac{n\pi}{L}x}\end{align*} ところで、周期関数というのは応用範囲が狭いですから、被周期関数を考えたいわけです。非周期関数に対応するには、周期を無限大に取ればいいでしょう。とりあえず以下のように変形しましょう。 \begin{align*} &\dfrac{1}{2L}\sum_{n=-\infty}^\infty \left(\int_{-L}^{L}f(x')e^{-i\frac{n\pi}{L}x'}dx'\right) e^{i\frac{n\pi}{L}x}\\ =&\lim_{L\to\infty}\dfrac{1}{2\pi}\dfrac{\pi}{L}\sum_{n=-\infty}^\infty \left(\int_{-L}^{L}f(x')e^{-i\frac{n\pi}{L}x'}dx'\right) e^{i\frac{n\pi}{L}x} \end{align*} ここで、和の極限を積分に変換できて、 \begin{align*} f(x)=\dfrac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty}\left(\int_{-\infty}^{\infty}f(x)e^{-ikx'}dx'\right)e^{ikx}dk \end{align*} となります。 フーリエ変換の公式とその意味 ここで、被積

フーリエ解析④ 複素フーリエ級数展開

複素フーリエ級数とは? 周期$2L$の関数$f(x)$について、複素数型のフーリエ級数展開は、 \begin{align*} f(x)&=\displaystyle \sum_{n=-\infty}^\infty c_n \exp{\left(i\dfrac{n\pi}{L}x\right)}\\ c_n&=\displaystyle \dfrac{1}{2L}\int_{-L}^{L}f(x)\exp{\left(-i\dfrac{n\pi}{L}x\right)}dx\end{align*} となります。(今回も収束の話は無視しています。) オイラーの公式を用いる 複素数型フーリエ級数の導出は簡単です。オイラーの公式 \begin{align*}e^{i\theta}=\cos{\theta}+i\sin{\theta}\end{align*} を用いて以下のフーリエ級数展開の式、 \begin{align*}\dfrac{a_0}{2}+\displaystyle \sum_{n=1}^\infty \left(a_n\cos{\dfrac{n\pi}{L}x}+b_n \sin{\dfrac{n\pi}{L}x}\right)\end{align*} を変形します。ここで、三角関数はオイラーの公式を用いて、 \begin{align*}\sin{\theta}=\dfrac{e^{i\theta}-e^{-i\theta}}{2i},\cos{\theta}=\dfrac{e^{i\theta}+e^{-i\theta}}{2}\end{align*} と表せるので、フーリエ級数の$n\ne0$の部分は、 \begin{align*} \displaystyle &\sum_{n=1}^\infty\left(a_n\dfrac{e^{i\frac{n\pi}{L}x}+e^{-i\frac{n\pi}{L}x}}{2}-i b_n\dfrac{e^{i\frac{n\pi}{L}x}-e^{-i\frac{n\pi}{L}x}}{2}\right)\\ =&\sum_{n=1}^\infty \left(\dfrac{a_n-ib_n}{2}e^{i\frac{n\pi}{L}x}+\dfra

フーリエ解析③ フーリエ正弦級数 フーリエ余弦級数

フーリエ正弦級数・余弦級数とは? フーリエ正弦級数の導出・証明 フーリエ正弦級数とは周期$2L$の奇関数$f(x)$に対して、 \begin{align*} f(x)&=\displaystyle \sum_{n=1}^\infty b_n \sin{\dfrac{n\pi}{L}x}\\ b_n&=\dfrac{2}{L}\displaystyle \int_{0}^{L}f(x)\sin{\left(\dfrac{n\pi}{L}x\right)}dx\end{align*} ここで、被積分関数が、奇関数×奇関数で偶関数になることに注意してください。$\cos{}$と$f(x)$の積は奇関数×偶関数で奇関数になるので$[-L,L]$で積分すると0になることがわかります。 フーリエ余弦級数の計算 逆にフーリエ余弦級数とは周期$2L$の偶関数$f(x)$に対して、 \begin{align*} f(x)&=\displaystyle \sum_{n=0}a_n \cos{\dfrac{n\pi}{L}x}\\ a_n&=\dfrac{2}{L}\int_{0}^{L}f(x)\cos{\left(\dfrac{n\pi}{L}x\right)}dx \end{align*} これも正弦級数と同様に偶関数か奇関数かを考えればこの係数が容易に導けるでしょう。 フーリエ解析の他の記事 ①フーリエ級数展開 ②フーリエ級数展開を一般周期へ拡張する ③フーリエ正弦級数・フーリエ余弦級数 ④複素フーリエ級数 ⑤フーリエ変換 ⑥ラプラス変換・ブロムウィッチ積分

フーリエ解析② 一般周期への拡張

フーリエ展開を一般周期に拡張できないか? 前回、周期$2\pi$の関数$f(x)$に対して、フーリエ級数が \begin{align*} f(x)&=\dfrac{a_0}{2}+\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\left(a_n \cos{nx}+b_n\cos{nx}\right)\\ a_n&=\dfrac{1}{\pi}\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi}f(x)\cos{nx}dx\\ b_n&=\dfrac{1}{\pi}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)\sin{nx}dx \end{align*} と展開できることを紹介しました(収束性の話は置いておきます)。この展開には大きな制約があります。それは周期が$2\pi$に限られていることです。そこで、一般の周期に拡大することを考えます。関数$f(x)$が周期$2L$だとします。このとき、積分範囲が$[-\pi,\pi]$では周期の一部だけを含んだり、中途半端な範囲の積分になってマズいので、範囲を$[-L,L]$で積分することを考えます。 三角関数の位相ずれを考える ここで、三角関数についても、この積分範囲$[-L,L]$で、ちょうど周期の整数倍になっていないと困ります。というわけで、三角関数の引数の部分を、 $$\dfrac{n\pi }{L}x$$ と、書き換えることにします。つまり、 \begin{align*} f(x)&\approx\dfrac{a_0}{2}+\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\left(a_n\cos{\dfrac{n\pi}{L}x}+b_n\sin{\dfrac{n\pi}{L}x}\right)\\ a_n&=\dfrac{1}{L}\displaystyle \int_{-L}^{L}f(x)\cos{\left(\dfrac{n\pi}{L}x\right)}dx\\ b_n&=\dfrac{1}{L}\int_{-L}^{L}f(x)\sin{\left(\dfrac{n\pi}{L}x\right)}dx \end{align*} ということでこれが一般化された周期に対するフーリエ級数

フーリエ解析① フーリエ級数展開

フーリエ級数展開とは? 有名な話ですが...フーリエ変換とは、三角関数による級数に展開するということを目的としています。フーリエ変換につながる基礎の話をします。 フーリエ級数展開の公式 まず、関数$f(x)$が周期$2\pi$のフーリエ級数展開は以下のように書けます。 \begin{align*} f(x)&=\dfrac{a_0}{2}+\displaystyle \sum_{n=1}^\infty \left(a_n \cos{nx}+b_n \sin{nx}\right)\\ a_n&=\displaystyle \dfrac{1}{\pi}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)\cos{nx}dx\\ b_n&=\displaystyle \dfrac{1}{\pi}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)\sin{nx}dx \end{align*} ただし、必ずしも収束するとは限らないことに注意してください。 ここで気になるのは係数がなぜこのような形で書けるのかだと思います。そのことについて解説します。 関数の内積と直交性 区間$[-\pi,\pi]$で定義された関数$f(x),g(x)$の内積を以下のように定義することにします。 \begin{align*}\left(f(x),g(x)\right)\overset{\text{def}}{=}\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi}f(x)g(x)dx\end{align*} 関数の内積の定義はその分野などによって定義の仕方が多少異なることがあるのであまり気にしないでください。 ところで、今回は三角関数の話がメインなので三角関数について内積を調べてみましょう。たとえば、自然数$m,n(m\ne n)$について、 \begin{align*} &\displaystyle \int_{-\pi}^{\pi}\sin{mx}\sin{nx}dx\\&=\dfrac{1}{2}\int_{-\pi}^{\pi}\left(\cos{\dfrac{m-n}{2}x}-\cos{\dfrac{m+n}{2}x}\right)dx\\&=0\\ \\ &\displaystyle \in

複素解析⑦ 複素積分の実数積分への応用

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複素積分の実積分への応用 留数定理を用いる 複素積分は実数積分に応用ができます。今回は、 \begin{align*} \int_{-\infty}^{\infty}\dfrac{1}{x^2+1}\mathrm{d}x \end{align*} を計算します。ちなみに、実はこの関数は簡単に \begin{align*} \int_{-\infty}^{\infty}\dfrac{1}{x^2+1}\mathrm{d}x=\left. \arctan{x}\right|^{\infty}_{-\infty}=\pi \end{align*} とも計算できますが、あえて複素解析で解いて結果が一致することを確かめます。以下、被積分関数を\(f(x)\)とおいて考えます。関数$f(z)$の特異点は複素数の範囲で、 \begin{align*}z^2+1=0\ \ \ \therefore z=\pm{i}\end{align*} の2点です。次に積分路を考えます。実軸に沿って$-\infty$~$\infty$の複素積分を考えると、これが求めたい積分と同じことになります。よって、この経路を含むように経路を定めたいです。また、コーシーの積分定理をはじめとして、周回積分についての計算の定理を使いたいので、周回積分を考えましょう。では、例えば、以下のような経路を反時計回りにまわる経路$C$を考えましょう。 最後に$R\to\infty$とします。 \begin{align*} C_1&:-R\leq \mathrm{Re}\ z\leq R,\mathrm{Im}\ z=0\\ C_2&:z=Re^{i\theta}(0\leq \theta \leq \pi ) \end{align*} とすれば、 \begin{align*}\oint_Cf(z)\mathrm{d}z=\int_{C_1} f(z)\mathrm{d}z+\int_{C_2} f(z)\mathrm{d}z\end{align*} まず左辺について、閉路$C$内に含まれる特異点は点$i$のみで、それ以外の$C$の内部分では正則なので、留数定理より、 \begin{align*}\oint_C f(z)\mathrm{d}z=2\pi

複素解析⑥ 留数を求めるための公式

留数の求め方とは,その公式 関数$f(z)$の特異点$\alpha$が第$n$位の極のとき、留数は、 \begin{align*}\mathrm{Res}[f,\alpha]=\displaystyle \dfrac{1}{(n-1)!}\lim_{z\to\alpha}\dfrac{\mathrm{d}^{n-1}}{\mathrm{d}z^{n-1}}\left\{(z-\alpha)^n f(z)\right\}\end{align*} という公式で求められます。点$\alpha$が第$n$位の極のとき、ローラン級数展開は \begin{align*} f(z)&=\sum_{k=-n}^\infty c_k(z-\alpha)^k\\ &=\dfrac{c_{-n}}{(z-\alpha)^n}+\dfrac{c_{-(n-1)}}{(z-\alpha)^{n-1}}+\cdots \end{align*} ここで、辺々に$(z-\alpha)^n$をかけると、 \begin{align*} (z-\alpha)^n f(z)=c_{-n}+c_{-(n-1)}(z-\alpha)+\cdots+c_{-1}(z-\alpha)^{n-1}+\cdots \end{align*} ところで、今求めたい留数というのは$c_{-1}$のことです。この辺々を微分すると、 \begin{align*} \dfrac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}z}\left\{(z-\alpha)^nf(z)\right\}=c_{-(n-1)}+\cdots+(n-1)c_{-1}(z-\alpha)^{n-2}+\cdots \end{align*} あと、$n-2$回微分すると、 \begin{align*}\dfrac{\mathrm{d}^{n-1}}{\mathrm{d}z^{n-1}}\left\{(z-\alpha)^nf(z)\right\}=(n-1)!c_{-1}+\dfrac{n!}{1!}c_0(z-\alpha)+\cdots\end{align*} ここで、$z\to\alpha$とすれば、 \begin{align*}\lim_{z\to\alpha}\dfrac{\mathrm

複素解析⑤ 留数とはなにか・留数定理

留数・留数定理とは 関数$f(z)$をある領域$D$で点$\alpha$まわりにローラン級数展開したときに以下のようにかけるとします。 \begin{align*}f(z)=\displaystyle \sum_{k=1}^\infty \dfrac{c_{-k}}{(z-\alpha)^k}+\sum_{k=0}^\infty c_k (z-\alpha)^k\end{align*} このとき、$(z-\alpha)^{-1}$の係数$c_{-1}$のことを留数といいます。なぜわざわざこのように名前がついているかというと、複素積分が \begin{align*}\oint_Cf(z)\mathrm{d}z=2\pi i c_{-1}\end{align*} と表せるからです。(ただし、$C$は点$\alpha$を囲む領域$D$内の経路とします。)証明は簡単です。ローラン級数について、$z=Re^{i\theta}+\alpha$として複素積分を直接計算すると、 \begin{align*} &\int_0^{2\pi} \left(\dfrac{c_{-1}}{Re^{i\theta}}+\displaystyle \sum_{k=2}^\infty \dfrac{c_{-k}}{R^k e^{ik\theta}}+\sum_{k=0}^\infty c_k R^k e^{ik\theta}\right)iRe^{i\theta}d\theta \\ &=\int_0^{2\pi} \left(ic_{-1}+\displaystyle \sum_{k=2}^\infty \dfrac{ic_{-k}}{R^{k-1} e^{i(k-1)\theta}}+\sum_{k=0}^\infty ic_k R^{k+1} e^{i(k+1)\theta}\right)d\theta \end{align*} ここで、$e^{in\theta}=\cos{n\theta}+i \sin{n\theta}(n\in \mathbb{N})$は$0$から$2\pi$で積分すれば0になります。さらに、 }\begin{align*}e^{-in\theta}&=\cos{(-n\theta)}+i \sin{(-n\theta

複素解析④ ローラン級数展開

ローラン級数展開の計算のやり方 点$\alpha$まわりの関数$f(z)$のローラン級数展開の一般形は以下の形で表されます。 \begin{align*}f(z)=\displaystyle \sum_{k=1}^\infty \dfrac{c_{-k}}{(z-\alpha)^k}+\sum_{k=0}^\infty c_k (z-\alpha)^k\end{align*} $c_k(k \in\mathbb{Z})$は係数です。テイラー展開の式と見比べると、$z-\alpha$の項が分母まで来ています。(指数がマイナス方向まで拡張されています。) では、どうやってローラン級数展開を求めるのかということを解説します。関数$f(z)$が以下の形で与えられたとします。 \begin{align*}f(z)=\dfrac{g(z)}{(z-\alpha)^n}\end{align*} ただし、一旦、関数$g(z)$は複素数平面全体で正則だとします。複素数平面全体で正則な関数なので、点$\alpha$まわりでテイラー展開してみましょう。 \begin{align*}g(z)=\displaystyle \sum_{k=0}^{\infty}\dfrac{g^{(k)}(z)}{k!}(z-\alpha)^k\end{align*} よって、 \begin{align*}f(z)=\displaystyle\dfrac{g(z)}{(z-\alpha)^n}=\sum_{k=0}^\infty \dfrac{g^{(k)}(z)}{k!}(z-\alpha)^{k-n}\end{align*} となります。問題は、点$\alpha$以外に特異点があるときです。特異点があるときは、領域によってローラン級数の取り方が変わります。これ以上は文字でやるとわかりにくいので、具体例を使います。 ローラン級数展開の例題と解答 以下の関数を原点まわりにローラン展開することを考えます。 \begin{align*}f(z)=\dfrac{1}{z(z-1)}\end{align*} 方針としては無限等比級数和の公式、初項$a$、公比$|r|\lt 1$に対して、 \begin{align*}\dfrac{a}{1-r}=a+ar+ar^2+\

複素解析③ コーシーの積分公式

度々現れる形なので覚えておいて損はないと思います。 コーシーの積分公式の証明と使い方 コーシーの積分公式 単純閉曲線$C$を考えます。$C$とその内部で正則な関数$f(x)$、$C$の内部の点$\alpha$について、 \begin{align*}\displaystyle \oint_{C} \dfrac{f(z)}{z-\alpha}dz=2\pi if(\alpha)\end{align*} が成り立ちます。 特に、$f(z)=1$とした \begin{align*}\displaystyle \int_{C}\dfrac{1}{z-\alpha}dz=2\pi i\end{align*} をよく使います。 コーシーの積分公式の証明 まずは以下のような形に変形します。 \begin{align*}\displaystyle \oint_{C} \dfrac{f(z)}{z-\alpha}=\oint_{C} \dfrac{f(z)-f(\alpha)}{z-\alpha}dz+\oint_{C}\dfrac{f(\alpha)}{z-\alpha}dz\cdots(*)\end{align*} 第二項について、コーシーの積分定理より、$R\geq 0$に対して、$z=Re^{i\theta}+\alpha\ (0\leq \theta\leq 2\pi)$と積分経路が変更できます。$dz=iRe^{i\theta}d\theta$なので、 \begin{align*} \displaystyle\oint_{C}\dfrac{f(\alpha)}{z-\alpha}dz&=f(\alpha)\int_{0}^{2\pi}\dfrac{iRe^{i\theta}}{\left(Re^{i\theta}+\alpha\right)-\alpha}d\theta\\ &=if(\alpha)\int_{0}^{2\pi}d\theta\\ &=2\pi if(\alpha) \end{align*} となります。つまり、(*)式の第1項が0になることを示せばよいことになります。ここで、コーシーの積分定理から先ほどと同様に積分経路を変更することを考えます。 \begin{align*}z=\