統計② 補足② 特性関数
特性関数の定義とは?
特性関数の定義を紹介します。モーメント母関数は定義できない場合もあるのですが、特性関数は、いつでも存在します。特性関数の定義
特性関数
特性関数$\varphi(t)$を以下のように定義します。確率密度関数を$f(x)$として、
\begin{align*}
\varphi(t)\stackrel{def}{=}\int_{-\infty}^\infty e^{itx}f(x)dx
\end{align*}
\begin{align*}
M(\theta)\stackrel{def}{=}\int_{-\infty}^\infty e^{\theta x}f(x)dx
\end{align*}
$\theta$を$it$で置き換えただけです。さて、置き換えただけなのですが、特性関数のほうは、定義式の積分が収束することを示すことができます。密度関数が非負であること、$|e^{itx}|$$=1$を用いて、
\begin{align*}
\left|\int_{-\infty}^\infty e^{itx}f(x)dx\right|
&\leq \int_{-\infty}^\infty |e^{itx}f(x)|dx \\
&=\int_{-\infty}^\infty |e^{itx}||f(x)|dx \\
&=\int_{-\infty}^\infty f(x)dx \\
&=1
\end{align*}
となります。(最左辺の絶対値がご利用の機器によっては見えていないかもしれませんが、式全体に絶対値を付けています。)
つまり、特性関数は必ず存在するということになります。
特性関数と期待値の関係
特性関数の性質は以下のようになります。特性関数と期待値の関係
\begin{align*}
E[X^n]=\left.\dfrac{1}{i^n}\dfrac{d^n\varphi(t)}{dt^n}\right|_{t=0}
\end{align*}