微分積分⑮ リーマン積分 このエントリーをはてなブックマークに追加

リーマン積分可能条件とは?

積分とはまずなにでしょうか?また、積分が可能な条件とはなんでしょうか?ということをこの記事で説明します。

りーマン積分の定義

リーマン積分は今までの積分とあまり変わらないと思って大丈夫です。今回は、計算の原理のみ紹介します。積分を極限によって厳密に定義しようということです。まず、積分する範囲$[a,b]$を$x_0$$=a$,$x_n$$=b$と固定してして、いくつかの点に区切ります。
\begin{align*} x_{0},x_{1},\cdots,x_{n} \end{align*}
この分割した中で
\begin{align*} x_{i-1}\leq x \leq x_{i} \end{align*}
の範囲を考えましょう。この範囲である値$\xi_{i}$を
\begin{align*} x_{i-1}\leq \xi_{i} \leq x_{i} \end{align*}
となるように取ります。積分というのはもともと曲線の下面積を長方形の面積和で表すのでした。

つまり、高さが$f(\xi_{i})$, 横幅が$x$の差の長方形を考えますつまり以下の式を考えます。
\begin{align*} \displaystyle \sum_{i=1}^{n}f(\xi_{i})(x_{i}-x_{i-1}) \end{align*}
ただこのままでは面積の近似になっていません。近似するためには長方形の幅を小さくする必要があります。つまり、$n\to\infty$です。

つまり、リーマン積分の定義式は以下のようになります。刻み幅$x_{i+1}-x_i$のうち、最も大きいものを$\Delta$とします。この$|\Delta|$を無限小にすると
\begin{align} \displaystyle \lim_{|\Delta|\to0}\sum_{i=1}^{n}f(\xi_{i})(x_{i}-x_{i-1})\ \ (x_{i-1}\leq \xi_{i}\leq x_{i}) \label{eq:1} \end{align}


リーマン積分可能とは?その証明方法

リーマン積分\eqref{eq:1}の値が確定するとき(極限が存在するとき)リーマン積分可能といいます。

リーマン積分の収束を示す

そして、極限が収束するということの評価ははさみうちの原理による説明がやりやすいです。 というわけで不等式で評価ができないものか考えましょう。

リーマン積分の式で抽象的なものがあります。 それは$f(\xi_{i})$です。指定された範囲で適当に一つ値をとってそれを$\xi_{i}$としているだけです。

というわけで上限、下限を考えましょう。
\begin{align*} &上限\displaystyle M_{i}=\sup_{x_{i-1}\leq x \leq x_{i}}f(x)\\ &下限\displaystyle m_{i}=\inf_{x_{i-1}\leq x \leq x_{i}}f(x) \end{align*}

と、おきます。 また、以下のように$s,S$を置きます。
\begin{align*} \displaystyle S&=\sum_{i=1}^{n}M_{i}(x_{i}-x_{i-1})\\ \displaystyle s&=\sum_{i=1}^{n}m_{i}(x_{i}-x_{i-1}) \end{align*}
$s$:下ダルブー和 $S$:上ダルブー和 と呼ぶことがあります。 そうすると、先ほどの、リーマン積分の定義式と不等式をつくると、
\begin{align*} \displaystyle s\leq\lim_{|\Delta|\to0}\sum_{i=1}^{n}f(\xi_{i})(x_{i}-x_{i-1})\leq S \end{align*}
つまり,$sとS$が同じ値に収束することを示せばリーマン積分の収束を示すことができます。



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