量子力学① シュレディンガー方程式の意味 このエントリーをはてなブックマークに追加

シュレディンガー方程式とは

シュレディンガー方程式というのは量子力学の基本方程式です。虚数単位が入っていたりと変わった式です。波動関数というものが導入されますが、この意味について説明します。



シュレディンガー方程式の形

(時間に依存する)シュレディンガー方程式
ポテンシャル$V$,虚数単位$i$,ディラック定数$\hbar$$=$$h$/$2\pi$,波動関数$\psi$について

\begin{align*}i\hbar \dfrac{\partial \psi(\boldsymbol{r})}{\partial t}=\left\{-\dfrac{\hbar^{2}}{2m}\nabla^{2}+V(\boldsymbol{r})\right\}\psi(\boldsymbol{r})\end{align*}


逆三角形みたいな記号$\nabla$は「ナブラ」と読む、微分演算子です。(詳しくはベクトル解析で習います)

あくまで微分演算子なので正確には数ではないのですが、あたかも数のように表されています。ナブラの二乗は表記の都合上そう表されているだけで本来はベクトルの内積であらわされます。つまり、
ラプラス演算子$\Delta$

\begin{align*} \nabla^2=\Delta=\dfrac{\partial^2}{\partial x^2}+\dfrac{\partial^2}{\partial y^2}+\dfrac{\partial^2}{\partial z^2}\end{align*}

ということです、$\Delta$のことをラプラス演算子と呼びます.

波動関数とは?波動関数の持つ意味

波動関数とは,一般には確率波といわれています。

かりに、一個の粒子をどこかに投げてしまうとします。

でも、投げてしまった粒子は消えてしまうわけでもなく、ありとあらゆる場所を探せば、一個の粒子が見つかるはずです。

そこで、ある点で粒子が見いだされる確率$|\psi(\boldsymbol{r})|^{2}d\boldsymbol{r}$が粒子の存在確率としています。

波動関数$\psi(\boldsymbol{r})$自身は抽象的に概念になっています。


波動関数の規格化と確率密度関数

もし、波動関数$\psi(\boldsymbol{r})$がシュレディンガー方程式の解なら、その定数倍も解になります。(実際代入すればわかります)

そこで、「確率波」としての性質を強く表すために規格化という操作をします。これは、ありとあらゆる空間で粒子を探して見つかる確率が1であるように調節する、つまり、

波動関数の規格化条件

\begin{align*}\displaystyle \int_{\text{全空間}}|\psi(\boldsymbol{r})|^2 d\boldsymbol{r}=1\end{align*}


という条件を満たす、ということです。



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