量子力学⑪ シュレディンガー描像・ハイゼンベルク描像
シュレディンガー描像・ハイゼンベルク描像の違いとは?
シュレディンガー描像とハイゼンベルク描像というものの考え方について式中で説明します。期待値を時間発展演算子で表してみる
前回の記事で説明した時刻$t_0\to t$の時間発展を記述する演算子$U(t,t_0)$は状態を表すケットに作用して,\begin{align*}
\ket{\psi(t)}=U(t,t_0)\ket{\psi(t_0)}
\end{align*}
とできるのでした。これに従って時刻$t$での可観測量$\hat{O}$の演算子の期待値を取ると、
\begin{align*}
\braket{\psi(t)|\hat{O}|\psi(t)}=\braket{\psi(t_0)|U^\dagger (t,t_0)\hat{O}U(t,t_0)|\psi(t_0)}
\end{align*}
ここで、$\hat{O}(t,t_0)=U^\dagger(t,t_0)\hat{O}U(t,t_0)$とすれば初期時刻のブラケットのみを用いて期待値を
\begin{align*}
\braket{\psi|\hat{O}(t,t_0)|\psi}
\end{align*}
とできそうです。
最初に行ったように状態を表すケットが時間変化していくと考えた場合の話をシュレディンガー描像、逆に演算子のほうが時間変化していくと考えたときのことをハイゼンベルク描像といいます。