ベクトル解析② 外積とは?外積の意味と性質 このエントリーをはてなブックマークに追加

外積の公式と面積との関係

以下の二つのベクトルを用いて話を進めていきます。
\begin{align*} \boldsymbol{a}&=\begin{pmatrix}a_x \\ a_y \\ a_z\end{pmatrix}\\ \boldsymbol{b}&=\begin{pmatrix} b_x \\ b_y \\ b_z \end{pmatrix} \end{align*}

外積の定義と意味

外積の定義とは?

外積は以下のように定義されます。

外積
\begin{align} \boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b} = \begin{pmatrix} a_yb_z-a_zb_y\\ a_zb_x-a_xb_z\\ a_xb_y-a_yb_x \end{pmatrix} \end{align}
結構複雑な計算ですね。というわけで以下のように行列式での計算方法もいろんなところで見かけます。あくまで便宜上こう計算するといいよねっていう話ですが。行列式の計算方法は次の記事をご覧ください。(参考:行列式の定義・性質とサラスの公式)
\begin{align*} \boldsymbol{a}\times \boldsymbol{b}=\begin{vmatrix} \boldsymbol{e_x} & \boldsymbol{e_y} & \boldsymbol{e_z} \\ a_x & a_y & a_z \\ b_x & b_y & b_z\end{vmatrix} \end{align*}
ちなみに計算結果はベクトルになります。というわけで,内積がスカラー積とも呼ばれるようにこちらはベクトル積ともいいます。また,内積がドット積と呼ばれるのに倣ってクロス積と呼ばれたりします。

外積の意味

内積が$\cos{\theta}$と関連していたように,外積には以下の様な関係があります。

外積の幾何学的意味
\begin{align} \|\boldsymbol{a}\times \boldsymbol{b}\|=\|\boldsymbol{a}\|\|\boldsymbol{b}\|\sin{\theta}\label{eq:2} \end{align}
ただし、$\|\boldsymbol{v}\|$はベクトル$\boldsymbol{v}$のノルムといいます。(参考:内積とノルム)

つまり外積で二つのベクトルがつくる四角形の面積を求めることができます。

外積の性質

\eqref{eq:2}から明らかですが,
\begin{align*} \boldsymbol{a}\times \boldsymbol{a}=\boldsymbol{0} \end{align*}
となります。また,
\begin{align*} \boldsymbol{a}\times \boldsymbol{b}=-\boldsymbol{b}\times \boldsymbol{a} \end{align*}
というように反交換関係があります。

基本ベクトルの外積の結果の向き

外積を計算した結果はベクトルなので当然向きがあります。それはよく右ねじで表現されます.ちなみに右手系の直交座標を取って、$x$軸方向の単位ベクトルを$\boldsymbol{e}_x$のようにあらわすと、(これを基本ベクトルといいます)
\begin{align*} \boldsymbol{e_x}\times \boldsymbol{e_y}=\boldsymbol{e_z} \end{align*}
という向きに回転します。



このエントリーをはてなブックマークに追加