微分積分③ コーシーの平均値の定理 このエントリーをはてなブックマークに追加

コーシーの平均値の定理とは

前提条件:ロルの定理

ロルの定理
$f$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。
\begin{align*} f(a)=f(b) \Rightarrow f^\prime(c)=0, a\lt c \lt b\text{を満たす}c\text{が存在する} \end{align*}
このロルの定理を前提条件として証明を進めます。

(参考:ロルの定理)

コーシーの平均値の定理とは?

コーシーの平均値の定理
$f,g$を閉区間$[a,b]$で連続かつ$(a,b)$で微分可能な関数とする。また、$g^\prime(x)\ne 0$($a \lt$$x$$\lt b$),$g(a)$$\ne$$g(b)$とする。
\begin{align*} \dfrac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}=\dfrac{f^\prime(c)}{g^\prime(c)} \end{align*}
を満たす$c$が存在する。
前回、ラグランジュの平均値の定理は、
\begin{align*} g(x)=f(x)-\left\{\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}(x-a)+f(a)\right\} \end{align*}
とおいて、$g(x)$にロルの定理を適用させました。(参考:コーシーの平均値の定理)

ここから類推して、以下の様な形の関数にロルの定理を用いましょう。
\begin{align*} F(x)=f(x)-\left[\dfrac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}\left\{g(x)-g(a)\right\}+f(a)\right] \end{align*}
ここで、$F(a)$$=F(b)$$=0$となります。関数$F(x)$は、$[a,b]$で連続であり、$(a,b)$で微分可能なので、$F^\prime(c)=0$,$a\lt $$c$$\lt b$となる$c$が存在します。ここで、
\begin{align*} F^\prime(c)=f^\prime(c)-\dfrac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}g^\prime(c) \end{align*}
です。$g^\prime(c)$$\ne 0$なので、$F^\prime(c)$$=0$から、
\begin{align*} \dfrac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}=\dfrac{f^\prime(c)}{g^\prime(c)} \end{align*}
が導けます。これでコーシーの平均値の定理の証明が完了しました。



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