測度論④ ルベーグ外測度の定義
ルベーグ外測度・内測度の定義とは?
被覆とは?新しい測度の考え
集合$A$を考えます。集合$A$を集合列${I_{n}}(n\in \mathbb{N})$が被覆するとは\begin{align*}A\subset \displaystyle \cup_{n\leq 1}I_{n}\end{align*}
が成り立つことを言います。
これはなにも難しいことは言っていません。
$I_{n}$をすべて集めれば,$A$を部分集合に含むようになる、これを被覆するといいます。
ルベーグ可測条件とは?
このとき、ルベーグ外測度を\begin{align*}\mu^{*}(A)=\inf\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}|I_{n}|\end{align*}
として定義します.
右辺の絶対値のような記号は大きさを表しています、$A$を部分集合に含むような集合の大きさをはかれば、当然$A$の大きさよりも大きくなります。
ここでルベーグ可測の条件は
\begin{align*}\mu^{*}(A)=\mu^{*}(A\cap B)+\mu^{*}(A\cap B^{c})\end{align*}
が成り立つことです。
ベン図を書いてもらえば明らかじゃないの?って思うかもしれませんがあくまで測度なので、必ずしもその測度と大きさは一致しません。
直感的に言うと、それぞれの大きさがはっきり求まれば(測度がうまく取れれば)右辺の測度が確定、つまり左辺も確定します。
今回このような可測の定義も紹介しましたが、実はこの概念あまり役に立たないです。 なぜかということを直感的に説明すると、右辺がいい感じに求められるなら普通は左辺も直接求められるっしょ(笑) という感じでしょうか。
通常の連続関数からの推測
たとえばなんですが、数列$\{a_{n}\}$が2に収束するのを示したいとき、直接2に収束することを言うのはしんどいので、はさみうちの原理を使って\begin{align*}\displaystyle \lim_{n\to\infty}|a_{n}-2|=0\end{align*}
を示すことが多いと思います。
というわけで実はルベーグ測度が0以外になることを示すのはあまり現実的ではないかな。という印象です。
今回ルベーグ内測度の定義をはっきり示していないのは基本0ではさみうちにすることが多いから、こだわる意味はないからです。
またルベーグ外測度の定義として下限の$\inf{}$を使っていますが、これも実は使いにくいんです。(というか下限がはっきりわかるなら集合の大きさわかるでしょ!)
だから下限よりさらに大きいものをとってはさみうちすることのほうが多いのです。