フーリエ解析⑤ フーリエ変換 このエントリーをはてなブックマークに追加

フーリエ変換とは?その公式は?

周期$2L$の関数$f(x)$の複素型のフーリエ級数展開は以下のように表されたのでした。
\begin{align*}f(x)=\sum_{n=-\infty}^\infty c_n e^{i\frac{n\pi}{L}x}\\ c_n=\dfrac{1}{2L}\int_{-L}^{L}f(x)e^{-i\frac{n\pi}{L}x}dx\end{align*}
これらをわけて書かずに合わせて書くと、
\begin{align*}\dfrac{1}{2L}\sum_{n=-\infty}^\infty \left(\int_{-L}^{L}f(x')e^{-i\frac{n\pi}{L}x'}dx'\right) e^{i\frac{n\pi}{L}x}\end{align*}
ところで、周期関数というのは応用範囲が狭いですから、被周期関数を考えたいわけです。非周期関数に対応するには、周期を無限大に取ればいいでしょう。とりあえず以下のように変形しましょう。
\begin{align*} &\dfrac{1}{2L}\sum_{n=-\infty}^\infty \left(\int_{-L}^{L}f(x')e^{-i\frac{n\pi}{L}x'}dx'\right) e^{i\frac{n\pi}{L}x}\\ =&\lim_{L\to\infty}\dfrac{1}{2\pi}\dfrac{\pi}{L}\sum_{n=-\infty}^\infty \left(\int_{-L}^{L}f(x')e^{-i\frac{n\pi}{L}x'}dx'\right) e^{i\frac{n\pi}{L}x} \end{align*}
ここで、和の極限を積分に変換できて、
\begin{align*} f(x)=\dfrac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty}\left(\int_{-\infty}^{\infty}f(x)e^{-ikx'}dx'\right)e^{ikx}dk \end{align*}
となります。

フーリエ変換の公式とその意味

ここで、被積分関数の括弧内は$x'$で積分しているので、$x'$は含まれない、つまり、$k$の関数になるはずです。そこで、
\begin{align*}F(k)=\int_{-\infty}^{\infty}f(x)e^{-ikx'}dx'\end{align*}
とおきます。つまり、変数変換ができたということになります。これをフーリエ変換と呼びます。さらにこの関数$F(k)$を用いれば、
\begin{align*}f(x)=\dfrac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^\infty F(k)e^{ikx}dk\end{align*}
となり、もとの関数$f(x)$に戻せることがわかります。これが逆フーリエ変換です。フーリエ変換によって$k$空間で関数を考えることができます。


フーリエ変換の係数のつけ方

今回は逆フーリエ変換に係数の$\dfrac{1}{2\pi}$をつけましたが、フーリエ変換、逆変換にそれぞれ$\dfrac{1}{\sqrt{2\pi}}$の係数をかけることもあります。人それぞれです。


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